第38回静岡リハビリテーション懇話会 一般演題概要


A−1−1
多機能な義足膝継手の紹介
発表機関:東名ブレース
発表者:○氷見純(義肢装具士)西川正洋(義肢装具士)小澤奈緒美(義肢装具士)
奥村庄次(義肢装具士)坂元隆一(医師)重野幸次(医師)原木弥生(医師)
山本伸育(理学療法士)
演題概要:大腿義足歩行において膝継手の機能が切断者の歩行能力に大きな影響を及ぼす。近年、立脚期の安定性と健常者の歩容に近似させるという点で、多機能な膝継手が開発されている。立脚初期に膝関節の軽度屈曲を可能にする機構やコンピューターによって歩行速度に追随する膝継手がその一例である。しかし種類が増えたことでその適応については非常に難しくなったのが現実である。本稿では最近の膝継手の構造と運動について紹介する。

A−1−2
片側大腿切断者における理学療法経過〜空気圧式膝継手とC-leg(シーレッグ)との比較〜
発表機関:静岡市立清水病院 リハビリテーション科・整形外科 東名ブレース
発表者:○山本伸育(理学療法士)沢野公一(理学療法士)中野渉(理学療法士)
大石真史(理学療法士)岡島梢(理学療法士)勝又和也(作業療法士)河野友祐(医師)原木弥生(医師)坂元隆一(医師)重野幸次
氷見 純(義肢装具士)東名ブレース
演題概要:今回、片側大腿切断者を担当し、空気圧式膝継手(NK-1)からC-legに変更して理学療法を施行していく機会を得ました。その治療効果と、NK-1とC-legの歩行能力の比較を歩行スピード・歩幅の変化として比較検討したので報告したいと思います。

A−1−3
環境因子促進のための福祉用具の活用
発表機関:静岡市立清水病院
発表者:○永井清広(作業療法士)池ヶ谷昌宏(理学療法士)石田あや子(作業療法士) 
中澤亜紀(作業療法士)小澤尚子(看護師)坂元隆一(医師)
原木弥生(医師)重野幸次(医師)
演題概要:回復期リハビリ病棟では、身体機能の改善よりも退院後の活動と参加をイメージしたアプローチが主となることが多い。今回、車いす自走困難と思われた入院患者に対して、車いすの適合を考え、福祉用具事業者から3種類の車いすを借用した。性能を確認したうえで使用した結果、座位姿勢の安定化や車いす駆動が可能になることを確認できた。環境因子としての車いすを見直すことの必要性が示唆された。

A−1−4
糖尿病教育入院における理学療法士のかかわりについて
発表機関:浜松労災病院
発表者:○久野雅彦(理学療法士)戸渡敏之(理学療法士)赤津嘉樹(医師)
演題概要:糖尿病は個々に応じた教育・治療を行うことで、良好なコントロールを保つことを目標に実施されている。糖尿病教育入院は糖尿病に対する理解を深め、日常生活において自己管理できるように医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士などがチームを組んで指導に当たっていこうという目的の入院である。そこで当院での糖尿病教育入院における理学療法士のかかわりについて紹介する。

A−1−5
介護従事者に伴う腰痛について−理学療法士の立場から−
発表機関:浜松労災病院
発表者:○平嶋純代(理学療法士)戸渡敏之(理学療法士)中西昭(理学療法士)
赤津嘉樹(医師)
演題概要:近年、高齢社会の到来により介護従事者に伴う腰痛が増加している。これらの職業性腰痛は早期からの予防対策を講じることによって、発症を予防し経過を良好に導くことが出来ると指摘されている。また効果的な介入を実施するには、その実態を把握した上で対策を考案することが有効な一つの解決策である。そこで今回、我々理学療法士の立場から、介護職員の腰痛に関する調査を行い問題点や対応策に対する検討を加え、腰痛予防活動に取り組む機会を得たので紹介する。

A−1−6
歩行獲得に難渋した左視床出血の一症例
発表機関:聖隷三方原病院
発表者:○松井俊明(理学療法士)
演題概要:今回左視床出血にて右片麻痺を呈する症例を担当した。屋内歩行の自立を目標に歩行動作中心に介入した。発症前からの両変形性膝関節症による下肢変形拘縮に加え、多発性脳梗塞、小脳梗塞の既往による体幹協調障害の影響もあり、歩行能力の改善に難渋した。この症例に対する治療介入について検討し、屋内の移動手段についての考察を加え報告する。

A−1−7
胃癌による胃亜全摘出後、重度廃用を呈し、在宅復帰に難渋した一症例
発表機関:浜松医科大学医学部附属病院
発表者:○松岡文三(理学療法士)泉良太(作業療法士)中村重敏(理学療法士)
美津島隆(医師)山内克哉(医師)入澤寛(医師)
演題概要:私達は、胃癌術後重度廃用をきたした症例を経験した。初期評価時は、術後肺炎も合併しておりベッド上のみでのリハビリが続いた。離床が遅れた他の原因として、4年前より脳梗塞後遺症による右不全片麻痺を呈しており日常生活動作の遂行が困難であったこと、また2年前より透析を導入していたこと等が要因として考えられた。リハビリとしては基本動作訓練を積極的に行い、5週間程で在宅復帰が可能となった。

A−2−1
重症破傷風患者に対する作業療法の経験
発表機関:浜松労災病院
発表者:○鈴木善幸(作業療法士)赤津嘉樹(医師)戸渡敏之(理学療法士)
鈴木歩美(理学療法士)
演題概要:破傷風は、破傷風菌と呼ばれるグラム陽性嫌気性桿菌で、生体内で菌体外毒素を産生しこれが原因で痙笑、全身痙攣、後弓反張、交感神経過緊張などの症状を起すといわれている。今回、潜伏期が短くonset timeが48時間以内の予後不良と推測された症例を担当し、OTを実施する機会を得た。本症例は、約6ヶ月の入院リハ実施後、退院時にはADLが自立し自宅復帰となったので若干の考察を加え報告する。

A−2−2
当院療養型病棟・透析病棟における病棟担当制導入後1年の効果と今後の課題 〜病棟スタッフへのアンケート結果から〜
発表機関:協立十全病院
発表者:○内野恵里(作業療法士)増井綾子(作業療法士)宮本靖大(作業療法士)
山本明寛(理学療法士)佐々木嘉光(理学療法士)
演題概要:当院リハビリテーション科では平成18年4月から療養型・透析の病棟担当制を導入している。今回、病棟担当制の効果を検討する為、導入半年後・1年後に各病棟スタッフ(看護師・介護職)を対象に、2回のアンケート調査を実施した。結果、患者の実生活におけるADLの改善や病棟との連携が密に取れるようになった。病棟担当制による維持期の病棟訓練の充実は、実生活におけるADLの改善・チーム医療の質の向上が図れると考えられる。

A−2−3
術後高齢頚髄症患者における上肢機能の経時的変化  〜STEFによる評価と改善〜
発表機関:協立十全病院
発表者:○井口英子(作業療法士)内野恵里(作業療法士)佐々木嘉光(理学療法士)
演題概要:術後頚髄症患者に対する簡易上肢機能検査(以下、STEF)を用いた上肢機能の経時的変化を示した報告は多く、術後3ヵ月で大きな改善がみられるとされている。しかし、80歳以上の術後高齢頚髄症患者に対しての同様の報告は少ない。今回、80代の術後高齢頚髄症患者に対し、積極的な手指機能改善に対する作業療法を行なった結果、術後3ヵ月以降も著明な改善が認められ、またSTEFによる評価の有用性も示唆された。

A−2−4
調理動作からの自信付け 〜独居生活希望の症例を通して〜
発表機関:NTT東日本伊豆病院
発表者:○柴田真美(作業療法士)
演題概要:調理動作にはいろいろな要素が含まれており、生活に慣れ親しんだ調理をactivityの一つとして利用した。そこで調理訓練をきっかけとして自信が持て、独居生活を送ることとなった症例との関わりと、調理動作についての若干の考察を報告する。結果、今までの生活で慣れ親しんでいる調理を早期より行い、他者からの評価を得たことで、できないと思っていたことが“自分にもできる”との自信となり、自信が意欲を高め、その他の動作能力向上にもつながった。

A−2−5
復職への不安を抱えていた症例への関わり
発表機関:城西神経内科クリニック
発表者:○松山真由美(作業療法士)石垣泰則(医師)杉山晃子(作業療法士)
佐藤祐里(理学療法士)
演題概要:脳出血発症後休職中の左片麻痺の47歳男性を担当した。リハビリ開始当初は復職への意識が低く、麻痺側の機能回復や疲労の訴えが強かった。受身的であり、復職への不安も存在していたが、職場からの働きかけや身辺動作自立、自宅での役割の拡大により生活が充実し、外出機会が増えていった。現在は、近々復職したいとの提案が出る程意欲が高まっている。不安を解消し積極的になるまでの過程から、必要な要素を考察し報告する。

A−2−6

術後乳がん患者に対する当院での取り組み−課題


発表機関:聖隷三方原病院
発表者:川村直子(作業療法士)
演題概要:当院では、1年前から乳がん術後の患者様に対しOTの介入を始めた。術後リンパ浮腫の早期発見と防いでいく基盤作りが目的である。機能改善・精神面フォローに加え、術後の体操・リンパマッサージ方法・留意事項等を記載した冊子を配布している。今後は、リハ進行状況共有化のためパスに載せる計画中である。また、リンパ浮腫の処方も出る中で、急性期総合病院のOTとしてどう介入していくべきか、今後の課題である。

A−2−7
尿意頻回の入所者へのアプローチ
発表機関:介護老人保健施設すずかけの街
発表者:○前島明日香(作業療法士)原田ゆき子(作業療法士)中村祐加(リハビリ助手)
柴田峰吉(リハビリ助手)小杉武司(リハビリ助手)
演題概要:当施設は病室転換型施設であり建物の構造上空間を利用しにくい環境である。そのため、広い場所へ入所者を誘導し、毎週水曜日のAM10:00〜11:30(90分間)に入所者のうち約20名を対象に、フロアスタッフと協働で小集団での活動(作業療法や運動療法)を展開し利用者に個別的に関われる時間を作っている。そこで、普段の生活では頻尿である症例の尿意の訴えに変化がみられたため報告する。

A−3−1
頸髄損傷四肢麻痺患者の通院リハビリテーションのあり方 −在宅復帰後の生活機能向上を目標に理学療法を実施した症例を通して−
発表機関:浜松労災病院
発表者:○戸渡敏之(理学療法士)赤津嘉樹(医師)鈴木善幸(作業療法士)
村松まゆみ(看護師)
演題概要:2006年4月の診療報酬改定による算定期間の制限に伴い、多くの病院において在院日数の短縮が顕著となった。このような状況下に重度四肢麻痺患者であっても従来の入院リハ介入期間を大幅に短縮される傾向にあり、在宅復帰後の通院リハや介護サービスの関わり方がADLやQOLに大きく影響を及ぼすと考えられる。そこで今回、他施設にて専門的リハを受け、受傷後約6ヶ月で自宅退院した症例に対し、リハ医師を中心に多職種との情報交換を行いアプローチする機会を得たので報告する。

A−3−2
当院リハ科通院患者の転倒予防自己効力感とQOLの関連性について
発表機関:浜松労災病院
発表者:○戸渡敏之(理学療法士)赤津嘉樹(医師)
演題概要: 転倒に対する恐怖感は、活動範囲縮小や閉じこもり等の悪循環を導く重要な問題である。今回、在宅障害者の転倒予防自己効力感とQOLの関連性について調査した。対象は当科通院患者73名であり、調査内容は、年齢、転倒回数などの基礎情報に加え、健康関連QOL(SF-36)、転倒予防自己効力感の評価:Modified Falls Efficacy Scale(MFES)とした。結果として、MFESとSF-36の下位尺度の身体機能、全体的健康感、活力、社会生活、心の健康において相関を認め、転倒恐怖感がQOLに影響を及ぼしていると示唆された。

A−3−3
後縦靭帯骨化症を呈した患者に対する術前運動療法の効果の検討 〜身体機能・ADL能力が実用レベルまで改善し、自宅復帰された一症例〜
発表機関:協立十全病院
発表者:○高木大輔(理学療法士)桑原理恵(作業療法士)佐々木嘉光(理学療法士)
演題概要:後縦靭帯骨化症(OPLL)は、「頚椎後縦靭帯骨化症ガイドライン」によると、脊髄症を発症すると軽快することはほとんど無く、軽症例を除き一般的に外科的治療を選択するとしている。そのため術前運動療法の効果を検討した報告は少ない。今回手術適応になったOPLL患者に約6ヶ月間の運動療法を実施した結果、身体機能・ADL能力が実用レベルまで改善し、手術適応外となり自宅復帰された症例を経験したので報告する。

A−3−4
下肢4関節置換術後に人工股関節再置換術を施行した関節リウマチ患者の歩行能力の検討
発表機関:協立十全病院
発表者:○村松由加里(理学療法士)桑原理恵(作業療法士)佐々木嘉光(理学療法士)
演題概要:関節リウマチで両側の人工股関節、膝関節の4 関節置換術後に人工股関節再置換術を行った患者の歩行能力に関する報告は少ない。今回、下肢4関節置換術後、人工股関節再置換術を施行した症例に対して運動療法を施行した。結果、藤林の分類で4b(歩行不可)だったが、約5ヶ月で筋力、心機能が向上し、3d(屋内歩行可能)にまで改善した。適切な運動療法を施行することで内部疾患合併例でも屋内歩行獲得できることを示唆した。

A−3−5
特定高齢者における運動器の機能向上トレーニング効果
発表機関:天竜すずかけ病院
発表者:○松野美穂(理学療法士)川島律子(看護師)
演題概要:特定高齢者を対象とした介護予防事業は、平成18年度より地域支援事業として介護予防制度に新たに位置づけられている。今回、当院において運動器の機能向上が必要な特定高齢者に対し、トレーニング教室を実施することとなった。教室は、毎週1回の頻度で計12回実施した。1・12回目は体力測定を行い、2〜11回は、トレーニングを実施し、徐々に負荷量を変化させていった。トレーニング前後の体力測定を比較検討した結果を報告する。

A−3−6

当院でのbiofeedback方法

発表機関:浜松医科大学医学部附属病院
発表者:○泉良太(作業療法士)佐野哲也(作業療法士)小河内寛子(作業療法士)
山内克哉(医師)美津島 隆(医師)
演題概要:Biofeedback(以下BF)は、通常では認識困難である現象を視覚や聴覚などの知覚信号に変換し、随意的に制御困難な現象を、その知覚信号に基づいてコントロールするテクニックである。 筋電図BFには筋電計が用いられるが常備してある病院は少ない。そこで、我々は手軽に使用できる心電計を用いたBFを考案した。 腕神経叢患者、肘関節脱臼骨折後患者に対し、BFを行い実用性に供する成果が得られたので紹介する。

B−1−1
脳梁離断症候群の一例
発表機関:静岡市立清水病院
発表者:○坂元隆一(医師)原木弥生(医師)重野幸次(医師)西野ふみ子(言語聴覚士)
佐々木浩三(言語聴覚士)石田あや子(作業療法士)永井清広(作業療法士)
先生恵美子(看護師)
演題概要:【症例】55歳男性、右利き 主訴:ズボンがうまくはけない 既往歴:10年前胃潰瘍 学歴、職業:普通高校卒、配管業(自営) 現病歴:2007年3月19日頃から下血を自覚していた。3月27日、下血を主訴に某総合病院内科入院。出血性胃潰瘍の診断で、内視鏡下に止血処置を受けた。見舞いに来た家族とコミュニケーションが取りにくくなり、翌3月28日、頭部MRI施行されたところ、脳梁に異常所見がみられた。輸血を含めた胃潰瘍の 治療終了後、5月7日に、リハビリ目的で当院回復期リハビリ病棟に転入院となった。 放射線学的検査:頭部MRIでは脳梁膝部から体部にかけて左右対称に限局した所見がみられた。神経心理学的検査:左手の触覚性呼称障害、左手の失書(模写の障害もあり)、左手の失行(従命動作だけでなく実用物品の使用を含め)、構成障害(両手)、感覚の移送障害(両側)がみられた。また、経過中に拮抗失行も観察された。 脳梁離断症候群の一例を文献的考察を交え報告する。ビデオ映像も供覧する。

B−1−2

橋病変脳卒中の経過について ―第2報−


発表機関:静岡市立清水病院
発表者:○原木弥生(医師)坂元隆一(医師)重野幸次(医師)池ヶ谷昌宏(理学療法士)
渡辺修司(理学療法士)永井清広(作業療法士)石田あや子(作業療法士)
中澤亜紀(作業療法士)
演題概要:第37回当懇話会で、橋病変脳卒中はテント上病変に比較し急性期病棟から当科への転科時で軽介助となり、短期間の入院で在宅復帰が可能となる症例の多いことを報告した。今回も新しい症例を追加して橋病変脳卒中の経過につきテント上病変を対照とし比較検討を行なった。結果として発症年齢若く、短期間の入院で在宅復帰さらに復職訓練に至るまでの経過を呈する症例もみられるようになった。ただ、橋病変症例は症状にばらつきがあり様々な所見を呈することがうかがわれる。片麻痺などは比較的改善率が高いのに比較し失調、感覚障害、注視障害などは改善傾向に乏しい。よって、回復期リハビリテーション病棟に入院した患者だけとりあげても予後に差が生じる。いくつかの症例をとりあげながら橋病変脳卒中では何によっての影響が予後に影響するかを検討した。

B−1−3
SNS 静岡脳卒中機能スケール の紹介 病診連携における脳卒中患者の評価法
発表機関:静岡市立静岡病院
発表者:○清水言行(医師)中沢稔(理学療法士)中野聡子(理学療法士)
篠原宏幸(理学療法士)池ヶ谷博英(作業療法士)木村格(医師)深澤誠司(医師)
演題概要:病診連携が進む中で脳卒中慢性期をかかりつけ医が管理する機会が多くなっている。脳卒中再発や廃用によるADL 低下を早期に診断する必要があり、簡便に評価する手段として静岡脳卒中機能スケール(SNS)を作成した。SNSはFIMを簡略化したもので評価項目は室内移動・外出・トイレ・入浴・更衣・経口摂取・コミュニケーションの7項目、評価方は3段階とした。静岡医師会との脳卒中ネットワークの中での活用を期待している。

B−1−4
当リハビリテーション病院におけるノロウイルス感染症について
発表機関:静岡リハビリテーション病院
発表者:○八木大英(医師)横井寛士(医師)野田幸男(医師)内野修平(医師)
小嶋康則(医師)安藤正(医師)島尾三郎(医師)
演題概要:近年、保育園や学校、病院や高齢者施設などでノロウィルスによる急性胃腸炎の集団発生が起こり、問題になっている。当院において平成19年2月から3月にかけて入院者数158名中ノロウイルス感染による66名の感染性胃腸炎患者を経験した。集団発生の経緯や感染者のADL状況、疾患の内訳について検討し、感染者とどのような関係があるかを調査検討した。

B−1−5
肺炎を併発した頸髄損傷者に対する呼吸理学療法の経験
発表機関:浜松労災病院
発表者:○天野直樹(理学療法士)戸渡敏之(理学療法士)赤津嘉樹(医師)
演題概要:頸髄損傷者に発生する合併症はいくつかあげられるが、呼吸器合併症を併発した場合、重篤化するケースも多い。そこで今回、肺炎を発症し痰の喀出が困難となり呼吸器科入院となった60歳代の四肢麻痺(C5残存)を呈する症例を担当した。呼吸理学療法は、Biphasic Cuirass Ventilationを併用し排痰訓練と離床に向けてアプローチした結果、入院から12日後に症状が改善し退院となったので報告する。

B−1−6
慢性閉塞性肺疾患に肺癌を合併した低肺機能患者に呼吸理学療法が有効であった症例
発表機関:磐田市立総合病院
発表者:○平嶋隆浩(理学療法士)原田雅教(医師)大井諭(医師)
演題概要:手術不能肺癌合併の慢性閉塞性肺疾患患者に対し、1ヶ月間の呼吸理学療法と抗コリン薬であるチオトロピウムの使用により呼吸機能が改善し、手術可能となった78歳男性の肺扁平上皮癌(T1N0M0 stageTA)を経験した。呼吸理学療法が治療法の拡大の一助となり、転帰に大きく寄与することができたため、本症例における治療経過と若干の考察を交えて報告する。

B−1−7
集団音楽療法におけるA氏の変化〜帰宅願望や不穏行動の減少を記述より探る〜
発表機関:遠江病院
発表者:○三浦玲子(音楽療法士)
演題概要:当病院重度認知症デイケアでは『音楽の力を活用してその人らしい人生を最後まで穏やかに生きていけるよう援助する事』を治療目標に集団音楽療法を実施している。A氏は、200X年5月より通所、同時に集団音楽療法に参加、現在に至る。通所デイケアにおいて帰宅願望や不穏行動の顕著なA氏に、集団音楽療法時の60分という長時間に帰宅願望や不穏行動の減少が見られたのでその経過を記述より探り報告する。

B−2−1
自立支援について
発表機関:中伊豆リハビリテーションセンター
発表者:○田村佳美(ソーシャルワーカー)
演題概要:自立には、身体的自立・精神的自立(家族関係などの人間関係)・経済的自立・社会的自立などが挙げられる。医療・保健・福祉の世界では、盛んに自立支援と唄われているが、その現状をリハビリテーション分野から分析を行なう。
回復期リハビリテーションという限られた時間の中でどれだけ自立支援ができ、いかに現実を受容できるか、支援の効果と限界を検討したい。

B−2−2
回復期リハビリテーション病棟における活動度に関する研究
発表機関:静岡市立清水病院
発表者:○中野渉(理学療法士)池ヶ谷昌宏(理学療法士)渡邉修司(理学療法士)
落合久美子(理学療法士)原木弥生(医師)坂元隆一(医師)重野幸次(医師)
演題概要:回復期リハビリテーション病棟は、ADLの向上、寝たきりの防止、家庭復帰を入院目的としている。そのため、入院生活をより活動的に過ごすことが重要である。しかしながら、回復期リハビリテーション病棟に入院中の患者がどのように時間を過ごしているかは十分に明らかにされていない。そこで、脳卒中により、当院回復期リハビリテーション病棟に入院中の患者を対象に、日中活動度について調査、検討を行ったので報告する。

B−2−3
当院における回復期リハビリテーション病棟の現状と今後の展望
発表機関:遠州病院
発表者:○小笠原美智子(理学療法士)
演題概要:当院は本年4月、新病院移転に伴い回復期リハビリテーション病棟(以下回復期リハ病棟)を開設した。これにより急性期、回復期、維持期の各病期に即したリハビリテーション(以下リハ)サービスの提供が可能となった。今回リハサービスの提供に対する質的向上や効率的な病棟運営の構築を目的に、回復期リハ病棟開設後4ヶ月間の実績と患者様の動向等を調査した。この結果を分析し、現状での問題点や今後の展望について報告する。

B−2−4
家庭用パスの利用を業務に定着させるための取り組み
発表機関:中伊豆温泉病院
発表者:○佐藤あけみ(看護師)鈴木麻美(看護師)
演題概要:当回復期病棟では、患者家族に対してスムーズに退院準備ができるよう家族用クリニカルパス(以下パス)を作成したが、実際はスタッフの異動などによりパスが活用できていない状況であった。活用できていない原因を明らかにし、パスについて理解を深めるために病棟スタッフに対してアンケート調査を行った。改善点を具体化して働きかけを続けた結果、パスを業務として定着させることができたので報告する。

B−2−5
病棟生活での目標設定から統一まで
発表機関:磐田すずかけ病院
発表者:○照澤亜子(理学療法士)
演題概要:当院は療養病床で、多くが長期療養者の生活の場となっている。
当院のリハビリは療法士の病棟担当制を取り入れている。実際には「できるADL」と「しているADL」に差が生じている点や病棟職員との共通の目標が設定されていないなど問題がある。そこで独自の評価チャートを用いて目標設定を行い、成果が得られた例を紹介する。 この取り組みは自身の中で最も重要視しており、協同で行った病棟職員の努力も含めて報告したい。

B−2−6
近隣看護助手合同研修会を担当して −患者疑似体験を通して学びを共有する−
発表機関:慶應義塾大学月ヶ瀬リハビリテーションセンター
発表者:○飯田公子(看護助手)伊澤貴美代(看護助手)高橋麻衣(看護助手)
間宮千歳(看護助手)伊里昌己(看護師)山本三千代(看護師)
演題概要:伊豆市は温泉を利用したリハビリ病院が多く、そこで働く看護助手は以前から患者の介護の部分を担ってきた。介護の質を向上させるために平成11年から近隣6病院で年1回合同研修会を行い研鑽を続けている。年1回、各施設が持ち回りで企画運営を担当している。 今回、第8回研修会の担当施設として、昨年度院内の助手研修会で効果のあった「疑似体験を通して患者の気持ちを考える」をテーマに取り上げた。その結果を報告する。

B−2−7
股関節術後のトランスファー介助方法を学んで
発表機関:JAリハビリテーション中伊豆温泉病院
発表者:〇山口美子(看護助手)代谷圭子(看護助手)
演題概要:私達の病棟は、平成18年6月より療養病棟より整形回復期病棟へと体制が変わり、術後の患者様の介護が主となった。特に股関節手術後患者さんのトランスファーについての技術や精神面に不安があり、看護師による勉強会やPT・OTによるデモンストレーションを行ったことが、不安軽減に繋がったのかアンケートをとり、まとめたので報告する。

B−3−1
摂食嚥下に難渋した症例 〜嚥下専門職に聞きたい〜
発表機関:浜松赤十字病院
発表者:○工藤崇(作業療法士)浅井聡(理学療法士)水谷全志(理学療法士)
野崎英二(理学療法士)永田江里(理学療法士)鈴木佐知(作業療法士)
演題概要:当院は嚥下専門職がいないため、嚥下評価において独自の評価表、VF(嚥下造影)を施行している。今回既往に脳梗塞により右片麻痺、失語症があり摂食嚥下困難な患者を担当した。継続的に嚥下訓練施行をするも著明な改善が見られない状態が続いている。そこで嚥下専門職が考える@嚥下困難な原因は? A再検討すべき評価は? B効果的な嚥下訓練は? などを検討して頂きたく、ここに報告する。

B−3−2
重度の嚥下障害があり介護力が低い患者の在宅療養支援の一例
発表機関:聖隷三方原病院
発表者:○藤森まり子(看護師)橋本育子(医師)藤島一郎(医師)
演題概要:症例は58歳男性。偽性球麻痺による嚥下障害を発症した。不顕性誤嚥があり経管栄養が必要で施設入所が検討されたが、本人の強い希望で経口摂取のみで自宅退院になった。摂食条件は体幹角度30度で左側臥位、ミキサー食1口量3gの食事介助であった。要介護2の母親との二人暮らしで、嚥下性肺炎を起こさずに在宅生活が継続できるよう在宅サービス事業者と協力して退院準備から継続して支援し在宅生活が安定した症例を報告する。

B−3−3
慢性期の摂食・嚥下障害例 〜胃瘻経管栄養から経口摂取確立まで〜
発表機関:すずかけ病院
発表者:○鮫島菜緒(看護師)
演題概要:経管栄養が導入され、慢性的に経過していく患者は、摂食・嚥下機能の再評価・経口摂取に向けたアプローチが積極的になされていない傾向があるように思われる。しかし、適切なアプローチによって、長期間経口摂取していなかった患者の摂食・嚥下機能が改善する場合もある。今回、2年間胃瘻経管栄養であった患者に対し、良好な機能に着目し嚥下訓練を実施した結果、経口摂取(3食)が確立されたため報告する。

B−3−4
咽頭期障害患者における自力摂取と介助摂取の嚥下反射惹起時間の違い
発表機関:協立十全病院
発表者:○山口ゆき(言語聴覚士)大山美保(言語聴覚士)山内克哉(医師)
演題概要:今回、脳血管障害後の嚥下障害患者で摂取方法の違いによる食塊の咽頭・口腔通過時間の差を検討した。対象は3食自力摂取可能な8名。トロミ付バリウム水を自力摂取及び介助摂取し、VFにて観測した。結果は口腔通過時間・咽頭期誘発遅延時間・咽頭通過時間、それぞれの自力摂取と介助摂取に有意差を認めなかった。結果より自力摂取可能な脳血管障害患者では、摂取方法の違いが嚥下反射に大きく影響を示さない可能性が示唆された。

B−3−5
遠江病院での認知症評価の新しい試み
発表機関:遠江病院
発表者:○竹田龍二(臨床心理士)大城一(医師)
演題概要:当院では、HDS-R、N式、NMスケール、N-ADLの4つのテストバッテリーを用いて、認知症の評価を行ってきた。このバッテリーの利点は中〜重度の水準を評価することが可能なことである。近年、認知症の早期発見の重要性が強調され、健常からMCIレベルの障害を簡便に評価する検査法の開発が数多くなされている。それらの知見を採用すべく、当院では新規の認知症テストバッテリーの雛形を作成したので、ここに報告する。

B−3−6
重度認知症デイケアにおける作品展の紹介
発表機関:遠江病院
発表者:○中西春雄(作業療法士)
演題概要:当病院重度認知症デイケアでは病的な異常を少しでもなくし、介護者負担の軽減と地域の中でその人らしく生きていくことを目標に多種の療法を取り入れ実施している。その一環として季節感のある行事を毎月計画し、3月には作品展を実施している。完成した作品を1年間の集大成として展示することで、達成感を感じ作品を作ることが楽しみとなり、生きがいのある生活に継げることができたと思われるため今回報告する。

B−3−7
重度失語症者の独居生活に向けての検討〜外出訓練・退院前訪問指導におけるSTの役割〜
発表機関:静岡リハビリテーション病院
発表者:○櫻井佑子(言語聴覚士)徳永治美(言語聴覚士)森橋美奈(言語聴覚士)
平井誠(社会福祉士)勝見智之(作業療法士)大橋りえ(理学療法士)
島尾三郎(医師)野田幸男(医師)
演題概要:今回、脳出血により麻痺は軽度で独歩可能であったが、重度の失語症を呈した症例を経験した。独居生活を目標に、外出訓練や退院前訪問指導を行ったが、コミュニケーション面の問題や判断力低下等により、在宅復帰には至らなかった。重度失語症者への在宅復帰に向けて、STとして訓練室以外での関わりや役割について検討を行ったので報告する。